2011年12月2日金曜日

沼津西ロータリークラブにおける富田英司さんの講演


■12月1日、沼津ブケ東海の例会場において、支援隊の仲間の一人、富田英司さんが「今日のベトナム枯れ葉剤問題」と題して 30 分間卓話をされました。高校教師として長い経験をお持ちの富田さんは、さすがに場慣れしたもので、30分の講演もあっという間に終わってしまいました。

 昨年の支援隊の旅の経験をもとに、とても分かりやすくクラブ会員に向けてお話をされました。ご自分が実際に現地を見て感じた驚きや憤り。そして最近明らかになった沖縄での枯葉剤の試用散布の事実などにも言及されました。

 そして最後には、我々が普段何気なく使用している除草剤も、枯葉剤であることを忘れてはいけない、という指摘は、なるほどと得心しました。とても有意義な 30 分間でした。



公演中の富田英司さん




講演後に宮島会長・杉山幹事とともに




■ 演者による講演要旨 ■

 今から40年前の学生時代、ベトナム戦争に反対する「ベ平連」のデモに参加した。私はこのベトナム反戦運動から大きな影響を受けた。それから40年後の昨年、2010年8月15日~21日まで、沼津「愛のベトナムさわやか支援隊」の支援活動に初めて参加した。枯葉剤被害者家族の家をまわり、その実情の説明を受けたときの最大のショックは「被害者は第3世代になっています」との話だった。


 ベトナム戦争で「枯葉剤」の影響を受けた父親や母親から生まれた「息子」「娘」が枯葉剤被害者になっていると思い込んでいたのだが、息子や娘は問題もなく健全に育ったが、「孫」に枯葉剤被害の影響が出ていると言う。遺伝子に関係することなので、今後も第4世代・第5世代にずっとその影響が続くと言うことになる。


 子どもや孫の誕生は親にとってはこの上もない幸せである。だが、その「新しい命」の誕生のたびに「枯葉剤」の影響を心配せざるを得ないとは。そんな思いを抱えて帰国したが、その後、坂田雅子監督の映画「花はどこへいった」を通じて、米国にもベトナム戦争帰還兵の本人や子孫にも「枯葉剤」被害の影響が出ていることを知る。


 さらに、今年から移住した沖縄においても、この「枯葉剤」問題が大きく取り上げられている。米兵の証言によって、沖縄や韓国の米軍基地において「枯葉剤」の実験や散布された事実が次々に明らかになっている。ベトナムでも米国でも韓国でも沖縄でも「枯葉剤」問題は終わっていない。私も「枯葉剤」問題への関わりを続けていく。

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